ウォッシュド?ナチュラル?コーヒーの精製処理とは?
コーヒー豆を購入していると「ウォッシュド」、「セミウォッシュド」や「ナチュラル」と書かれたものを見ることはありませんか?
これらはすべて、コーヒーの種子を果実から取り出し「生豆」と呼ばれる状態にする精製処理方法を表したものです。
今回は、コーヒーがどのように精製されているのか、そして精製方法がコーヒーにどのような影響を与えるのかについて紹介します!
【目次】
精製処理の工程
コーヒーの果実を生豆にするまでの加工工程である「精製」は、生産地ごとにさまざまな方法が取られています。その方法は主に…
ウォッシュド
セミウォッシュド
ナチュラル
の三つに分けることができます。
ではそれぞれの細かい精製過程を見ていきましょう。
ウォッシュド
水洗式とも呼ばれるこの方法は、その名の通りたくさんの水を使って果肉を洗い流します。
コーヒーはすっきりとクリアな味わいに仕上がり、豆の味を一番引き出す方法だとも言われています。
1機械での果肉除去
まず初めに、異物や未熟な豆などを取り除かれたコーヒーチェリーをパルパーと呼ばれる機械に送りあらかたの果肉を取り除きます。
この過程が終わると、豆にはミューシレージと呼ばれる、粘液が残った状態になるため次の工程でこのミューシレージを取り除きます。
2発酵による粘液除去
機械による果肉除去が終わった豆は水槽に送られ12~72時間ほど発酵による粘液の分解が行われます。
分解後は機械などで洗浄され粘液を完全に取り除きます。
この工程によってコーヒーに澄んだ香味が生まれるのがウォッシュドの特徴です。
3乾燥
パティオと呼ばれる広場や、高床式のアフリカンベット、ドラム式の乾燥機によって豆を一週間ほど乾燥させます。
ベースコーヒー従業員が以前訪れた、コスタリカのタラス地区の協同組合が運営している加工工場のパティオ
コスタリカの農園「Sol Naciente」のアフリカンベッド
コスタリカの有名コーヒー農家カルデロン一家の扱うドラム式乾燥機
パティオやアフリカンベットでは常に豆をかき混ぜなくてはいけません。
乾燥が終わると豆の他には少し硬い「パーチメント」と呼ばれる内果皮が残ります。このパーチメントを取り除けば生豆の完成です。
4脱穀
乾燥が終わると一度豆はパーチメントが残った状態で寝かせる必要があります。
その後脱穀機に送られ、脱穀されると薄緑の生豆が出来上がります。
最後に乾燥時に混入した異物や、混ざってしまった悪い豆を取り除いて、袋に詰められ出荷されます。
セミウォッシュド
セミウォッシュドは、パルプドナチュラルとも呼ばれ、ウォシュッドで取り除く粘液をあえて残す、水の使用量を抑えた精製方法です。
ウォッシュドにはない独特な甘みを含んだコーヒーに仕上がります。
1機械による果肉除去
ウォッシュド同様、機械で果肉を取り除きます。
2乾燥
粘液が残った状態で乾燥させます。そのため、乾燥後の豆には茶色や赤色の斑点が残ります。
粘液をあえて残すことによって独特な風味と甘みを生み出します。
左がセミウォッシュド、右がウォッシュドで加工されたもの
3脱穀
最後にパーチメントを粘液ごと取り除いて、生豆の完成です。
ナチュラル
ナチュラルはコーヒーチェリーに果肉が付いた状態で乾燥させる伝統的な加工法です。
コーヒーはものすごくフルーティーな味わいに仕上がります。
1乾燥
異物を取り除いたコーヒーチェリーをそのまま乾燥させます。
約二週間ほど、実がしぼみ茶色く変色するまで乾燥させます。
2脱穀
乾燥が終わったら実ごと脱穀し、完成です。
精製法が違うコーヒーを飲み比べてみよう!
精製方法によってコーヒーの味わいは大きく変化します。
一概にどの方法の物がいいとは言えないため、あとは個人の好み次第といえるでしょう。
ベースコーヒーでは、同じ農園で採れた精製法が違うコーヒーを取り扱っておりますので、飲み比べてみるとその味わいの違いを楽しんでいただけると思います!
いろんな要素が味わいに影響を与えるコーヒーだからこそ、精製法という要素に注目して、自分の好みを更に突き詰めていくのもコーヒーの一つの楽しみ方だと思います!