生産地を知ろう!:エチオピア編
淹れ方、焙煎度、加工法、品種そして産地、様々な要素が味わいに影響を及ぼすコーヒーにおいて、それぞれの違いによって生まれる味わいの差を感じることもコーヒーの楽しみ方の一つです。
同じ産地、品種の豆でも加工法が違えば味わいは変わりますし、同じ産地、加工法の豆でも焙煎度や淹れ方が変わればまた変わります。
そのため、飲んでいるコーヒーの情報を知ることは、自分の好みを知るという点からもとてもとても大切です。
というわけで今回は、コーヒーを知るうえで最も大きな括りとなる「生産地」の情報をお届けする、「生産地を知ろうシリーズ」の第一弾として、コーヒーの始まりの地、エチオピアのコーヒー生産やコーヒーの特徴をご紹介します!
【目次】
生産概要
コーヒー発祥の地であり、ここからコーヒーの種や苗木が世界中に広まる起点であったエチオピア。
アフリカのこの国でのコーヒー生産概要を見ていきましょう。
生産量
国際コーヒー機関(International Coffee Organization-ICO)によると、エチオピアの2018年コーヒー生産量は、750 万袋分。一袋が60㎏なので、4億5000万㎏のコーヒーが生産されています。
生産量ランキングで言えば、アフリカでは第1位、世界では第5位です。
世界の生産量から見ると、約4%をエチオピアのコーヒーが占めていることになります。
栽培方法
コーヒーの収穫は主に10月~12月に行われる。
品種はすべてアラビカ種に属するもので、その多種性は他国に比べすさまじく、具体的な品種がわかっていないものも少なくありません。
エチオピアのコーヒー栽培では、「農園」の形態は少なく、自然の力に頼り、人の手をかけない栽培が一般的です。栽培方法は主に4つに分類されます。
フォレストコーヒー
自生しているコーヒーの樹から実を収穫するもの。
セミフォレストコーヒー
自然林に間引きなど少し手を加え、自生している樹が育ちやすいようにしたうえで収穫するもの。
ガーデンコーヒー
農家が自宅周辺で他の作物と一緒にコーヒーを栽培する方法。エチオピアで最も典型的で生産量の多くを占める。
プランテーションコーヒー
農園で集約的に栽培する方法。生産量の10%程度がこの形。
精製処理に用いられるのは、ナチュラルとウォッシュド。
伝統的なナチュラルの方が一般的で約70%がナチュラル製法で加工されています。
一方でウォッシュドはイルガチェフェなどの一部の地域で行われています。しかし、ウォッシュドの方が品質が高く、高価で取引されることもあり政府がウォッシュドを推奨していることもあり、ウォッシュドの割合も増えてきているようです。
等級
コーヒーには等級があり、高ければ高いほど品質の良いコーヒーとして高値で取引されます。
その基準は生産国ごとに異なり、エチオピアでは300gの生豆の中にある、欠点豆つまり腐っていたり、虫に食われていたりするダメな豆の数とカップクオリティーによって決められます。
美味しくそして欠点数が少なければ少ないほど等級が高いということになります。
一番高いのが「G-1」と呼ばれていて欠点数は0~3個とされています。その下は、G-2、G-3…と続いていきます。
主な生産地
エチオピアでは東西広い地域でコーヒーが栽培されているため、同じエチオピアのコーヒーでも地域によって、味わいに違いがあります。
上の地図はだいたいのコーヒー生産地域を斜線で表したものです。
赤い丸は特に有名な生産地域で、左からコクと甘みがしっかりとしているレケンプティ、マイルドなジマ、爽やかなレモンの風味のイルガチェフェ、土を思わせるハラ―。
トレーサビリティ(追跡可能性)が重要視されている最近では、商品名に地域の名前が載ることも多いので、もしかしたらこれらの地域の名前も目にすることがあるかもしれませんね!
エチオピアのコーヒーはどんな味?
産地によって大まかなコーヒーの特徴というのは決まってきます。
もちろん同じ国で作られた全てのコーヒーが同じ味わいなわけではありませんが、特徴として表れやすい風味があります。
エチオピアのコーヒーは、ピーチやベリー系、アプリコットといったフルーティな甘い香りを持ち、柔らかな酸味とコクといった飲みやすい印象が特徴的です。
それに加えて、フローラルやハーブといったエレガントな風味を楽しめるのが多いのも、エチオピアのコーヒーの特徴と言えるでしょう。
ベースコーヒーでもエチオピアのコーヒーを扱っています。
エチオピアの西部オロミア州、グジにあるアラカ農園のコーヒーで加工法が違う2種類を楽しむことができます。
ストロベリーのような甘い香りを楽しむことができるエチオピア アラカ農園 ナチュラル
ピーチやレモンのニュアンスを感じることができるエチオピア アラカ農園 ウォッシュド
どちらもフルーティで香り高いとても飲みやすいコーヒーです。
また加工違いによる味の変化も楽しむことができるのでとてもおすすめです!