生産地を知ろう!:ホンジュラス編
中南米で最大のコーヒー生産国はブラジルだと、コーヒーに詳しくない人でも知っていると思います。
では中米だけに的を絞ったら、一番大きいコーヒー生産国はどこでしょう?
それは、日本の約三分の一の面積しかない小さな国、ホンジュラスです。
カリブ海に面するこの美しい国のコーヒーとその生産がどのようなものか、生産地を知ろうシリーズ第4弾、ホンジュラスをご紹介します!
【目次】
生産概要
中米最大のコーヒー生産国、ホンジュラス。
高い山が多くそびえるこの国では、火山性に富んだ土壌や、標高の高い地での生産といった、高品質なコーヒーが生まれる条件が揃っています。
そんなホンジュラスの生産概要を見ていきましょう!
生産量
国際コーヒー機関のデータによると、ホンジュラスの2018年のコーヒー生産量は745万袋分、重さにすると44万7千トン分です。
これは、中米では第1位、世界では第6位の生産量で、世界の総生産に占める割合は約4%です。
生産されているのは基本的にアラビカ種で、小規模農園によって、日焼けの樹、シェードツリーをコーヒーと一緒に植える、有機栽培が行われています。
生産環境
ホンジュラスでのコーヒー生産量が増えたのは2001年以降で、他国に比べて少し遅れ気味でした。
しかし、ホンジュラス・コーヒー協会の活動による、生産者支援施設の建設、生産者の研修や育成支援を経て今では中米最大の生産国です。
またホンジュラスのコーヒーはトレーサビリティが備わっていることでも注目されていて、どの農家が作ったのかや、どの生産者団体が関与していたかなど、細かな生産履歴を知ることができます。
ホンジュラスには良質なコーヒーを生み出す環境が備わっていますが、一つだけ品質に影響する問題があります。それは降雨量の多さです。
雨によって精製後の豆の乾燥が妨げられ、品質に影響が出てしまうため、この問題解決のために様々な取り組みが行われています。
等級
ホンジュラスのコーヒーの等級はその栽培地の標高に従って評価されます。
栽培地の標高が1200m以上ならば「ストリクトリー・ハイ・グロウン(SHG)」と呼ばれ、900m~1200mの場合「ハイ・グロウン(HG)」と呼ばれています。
ちなみに、更にその下の600m~900mの場合は、「セントラル・スタンダード(CS)」と呼ばれています。
主な生産地
11月から4月にかけてあらゆる地域でコーヒーが採れるホンジュラスその中でも注目されている地域をご紹介します。
コパン地域
ホンジュラス西部、グアテマラと隣接する地域で、コパン県とその周辺の4県を含めた地域です。
ココアのような甘みとしっかりとしたコクのあるコーヒーが特徴的。
モンテシージョス
コパン地域と隣接している地域で、この地域内のマルカラやラパスといった地区が注目されています。
標高の高い栽培地が多いことでも有名です。
コーヒーは明るい柑橘系の風味を持ちコクのあるものが特徴です。
アガルタ
ホンジュラス北部に広がる地域で、保護された森林が多く、エコツーリズムに基づいた観光地としても人気を集めています。
トロピカルフルーツのような甘い風味があるコーヒーが魅力的です。
これらの他にも、中西部のコマヤグアや、東部のエルパライソといった地域も高品質なコーヒーが有名なので、もしかしたら今後どこかで、これらの名前を目にするかもしれませんね!
特徴
甘い香りとすっきりとした酸味、そして爽やかな後味を持つ物が多いのがホンジュラス産コーヒーの特徴です。
しかし、ナッツ系の香ばしくも優しい風味を持つ物があれば、フルーティーな強い酸味と風味を持つ物もあるといったように、対照的なコーヒーが同じ国内で生まれるのが、中米最大のコーヒー生産国、ホンジュラス。
次に飲むホンジュラス産のコーヒーが前に飲んだものと風味が似ているかと言うとそうでないのが面白いところです。ぜひ風味に注意を向けて味わってみてください!
ベースコーヒーで扱っているホンジュラスのコーヒー、COE ホンジュラス エル・サウセ農園は、その名の通り2017年度のCOE(Cup of Excellence)を受賞したもの、つまりは2017年のホンジュラスで最も高い評価を受けたコーヒーの一つということです!
すすった瞬間から広がるマスカットのような鮮やかな風味と、カカオのような深い味わい、そして渋みや嫌な後味を残さないスッキリとした余韻は至福の時を与えてくれるコーヒーです。
また、店舗では以前のコラムでご紹介した、アメリカンプレスでご提供致しておりますので、豆本来の味をしっかりと味わうことができます。
アメリカンプレスについてはこちら→ベースコーヒー式コーヒーの淹れ方:アメリカンプレス編