生産地を知ろう!:ブラジル編
コーヒー界の絶対王者ブラジル。コーヒーと言ったらブラジルをイメージする人も少なくないと思います。
圧倒的な生産量と影響力を持つこの国のコーヒー事情を見ていきましょう!
生産地を知ろうシリーズ第5弾ブラジルです。
【目次】
生産概要
コーヒー大国ブラジル。
コーヒーを飲んでいるとどこかしらで必ずは関係してくるのがこの国です。
では実際のところ、ブラジルのコーヒー生産はどれほどのものなのか、その概要を見ていきましょう!
生産量
国際コーヒー機関によると、ブラジルの2018年のコーヒー生産量は6250万袋分、重さにすると375万トン。
言うまでもなく、生産量は世界で一位。世界の総生産に占めるブラジルコーヒーの割合は約36%と圧倒的です。1920年頃には世界の生産の80%を占めていたこともあり、ブラジルのコーヒーのその圧倒的な生産量は今も昔も変わりません。
ブルボン、カトゥアイ、ムンド・ノーボやイカトゥといったアラビカ種が生産されている主な品種で生産の8割を占めています。
またロブスタ種も生産されていて、ブラジルでは「コロニン」と呼ばれています。コロニンは西部のロンドニアや南東部のエスピリト・サント州などで生産されています。
この圧倒的な生産量からくる世界への影響力は絶大で、我々が楽しむコーヒーの価格はブラジルによって大きく変わることもあり得ます。
生産環境
ブラジルには30万を超える数の農家・農園が広がっていて、その規模は0.5ヘクタールの小さなものから、1万ヘクタールの大規模なものまで様々です。
ブラジルの一部のコーヒー生産を一言で表すと「質より量」収穫量に重きを置いているという点があります。
多くの大規模農園で「ストリップピッキング」と呼ばれる、コーヒーチェリーを枝からすべてしごき取る収穫方法や、収穫機を使ってコーヒーチェリーを木から振るい落とす方法が収穫時に行われているため、未熟な実が混ざりやすいというのがたまに傷です。
しかし近年ではスペシャリティかどうか関係なく、品質重視を掲げるところも増え始め、ストリップピッキングを行わないよう注意を払ったり、選別を念入りに行うところも少なくありません。
農園同様、精製方法も多様で、ナチュラル、パルプドナチュラル、セミウォッシュド、ウォッシュドの4種が行われています。最も普及しているのがナチュラルで全体の9割近くを占めていると言われています。地域ごとの特徴を見分けにくいブラジルコーヒーにおいて加工法は味わいに関する重要なポイントです。
主な生産地
ブラジルの生産地は主に東部から南部に集中しています。
高品質のアラビカ種と大規模農園によるロブスタ種生産を誇るバイーア州。
先述にもある、ロブスタ種の生産量の大部分を担うエスピリト・サント州。
ナチュラル製法のアラビカ種の多くが生産されているサン・パウロ州。
高品質なブラジルコーヒーは農園まで生産履歴をたどることができる物が多いです。
ぜひ飲んでいるブラジルコーヒーがどの地域で生産されているものか気にしてみてください!
特徴
ブラジルのコーヒーは地域の差を見分けることは難しいですが、セミウォッシュドやナチュラルのコーヒーには控えめの酸味と程よいコクが特徴的です。
またブラジルのスペシャリティーコーヒー生産者は長年、酸味の少なくエスプレッソに最適なコーヒーを作り続けてきました。そのため品質の高いブラジルコーヒーはコクがしっかりとしており、チョコレートやナッツのフレーバーが感じられるものがあります。
ブラジルコーヒーはベースコーヒーにおいても、数々のブレンドを構成する重要な豆です。
メインブレンドであるベースブレンドにも用いられていて、冷めてもおいしいこのコーヒーにおいて、ブラジルのコーヒーは、程よいコクと飲みやすさを生み出してくれています。