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コラム
COLUMN

2019.06.18
コーヒー

コーヒーと言ってもいろいろ!多様なコーヒーの品種

以前のコラムでもご紹介したように、コーヒーにはスペシャリティコーヒーとして注目されているアラビカ種とインスタントコーヒーなどに使われるロブスタ種があります。

アラビカ種とロブスタ種に関するコラムはこちら

前回でも少し触れましたが、アラビカ種はさらに様々な品種に分けることができ、それぞれがいろいろな特徴を持っています。

今回はアラビカ種の主な種類をご紹介していきたいと思います!コーヒー豆ご購入の際にパッケージなんかに品種名が書かれていることもあるのでもしかしたら知っているのもあるかもしれません。

 

在来種たち

コーヒーの品種の多くは元からあったものが突然変異したり、異なる品種が合わさったりして増えていきました。

まずはその代表的な品種を見ていきましょう。

ティピカ種

歴史上最も古い栽培品種で他の品種の大本とも言える品種がティピカ種です。

滑らかでさわやかな酸味がありとても繊細な味わいを楽しむことができるのがティピカ種の特徴ですが、他の品種に比べて生産量が少ないという点もあります。

現在もジャマイカやパプアニューギニアなど世界中の広い地域で栽培されています。

 

スマトラ種

インドネシアに移入したアラビカ種を起源とする品種のことです。

有名なマンデリンもスマトラ種に含まれますが、ティピカ種と同一視されることも多いです。

 

ゲイシャ種

エチオピアのゲイシャという町の近くで発見された品種。華やかで薫り高い風味が特徴で、とても個性的なコーヒーです。2004年にパナマのエスメラルダ農園のゲイシャ種がコンテストで有名になり、注目されている品種です。中南米の多くの生産者がゲイシャ種を栽培しています。

 

突然変異種

さまざまな品種が突然変異によって生まれ、アラビカ種の幅はさらに広がっていきました。

ブルボン種

エチオピアからティピカが持ち込まれブルボン島で突然変異した品種です。収穫量がティピカより多いのが特徴で完熟した実の色が赤色、黄色、オレンジ色と様々です。コーヒーの味わいはバランスが良く、甘みがあるのも特徴です。

以前は多くの生産地で栽培されていましたが現在ではより生産性の高い品種に取って代わられたケースが多いです。

 

マラゴジッペ種

ブラジルで発見された突然変異種です。とにかく大きいのが特徴で樹高も高く、葉も大きいです。もちろんコーヒー豆も大きく、エレファントビーンと呼ばれることがあります。

しかしながら生産性はそれほど高くなく、味わいも際立った特徴はあまりみられません。

 

ケント種

インドで生まれた突然変異種。名前は発見された農園の持ち主からきています。

この品種はコーヒーの大敵であるサビ病に強いということで一時人気を博しました。現在もタンザニアで栽培されていることがあります。

コーヒーの味はどっしりとした重いものが多いです。

 

カトゥーラ種

先ほどのブルボン種の突然変異種で生産性はティピカ種の約三倍と高いです。中米で多く栽培されています。樹高が高くなりにくいため収穫に適しています。

標高の高い産地のものほど実が詰まって風味もよくなります。

カトゥーラ

 

パーカス種

エルサルバドルのパーカス農園にて発見されたブルボン種の突然変異種。低地栽培に適していてチェリーが早く完熟するので、収穫性も高いです。

コーヒーは産地の標高が高いほど華やかな風味を持ちます。

 

ビジャ・サルチ

コスタリカで発見された突然変異種で樹高が高くなりすぎず、また現在では栽培方法が工夫され生産性が高いです。

 

交配種

異なる品種が合わさることにより新たな特徴を持った品種が生まれます。

時には二つの品種の良点を活かそうと人工交配によって新たな品種が生まれることも…

ムンドノーボ種

ティピカ種とブルボン種の自然交配種で、ブラジルで最も広く栽培されている品種の一つです。

生産性が高く、耐久性があり、病気にも強いです。コーヒーはマイルドで飲みやすいものが多いです。

 

パカマラ種

パーカス種とマラゴジッペ種の交配種です。エルサルバドルで開発されマラゴジッペ同様、豆が大きいのが特徴です。独特な味を持ち、チョコレートやフルーツを思わせる物が多いです。

しかし、栽培量が多くなく中米で少量栽培されている程度です。

パカマラ

 

カトゥアイ種

ムンドノーボ種とカトゥーラ種の交配種でブラジルで開発されました。カトゥーラのように樹高が高くなりすぎずムンドノーボのように耐久性に優れています。

味は大味の物が多いですがその生産性からブラジルをはじめとする広い地域で栽培されています。

 

選抜種

生産性や品質が高い種子のみを厳選し栽培され生まれたエリートたちが選抜種です。

 

SL28

ケニアのコーヒー研究所、スコットランド・ラボラトリー(SL)が乾燥に強いタンザニア原産の品種を選抜し繁殖させた品種。そのため干ばつにはめっぽう強く、標高の高い場所での生産にぴったりな生産性の高い品種。

やや大きめの実をつけ、コーヒーは鮮やかな酸味としっかりしたコクが期待でき、カシスのようなフルーティな風味を持つことが特徴で、ケニアで多く栽培されています。

 

SL34

名前からもわかるようにこちらもスコットランド・ラボラトリーか繁殖させた品種です。

ブルボン島からタンザニア、タンザニアからケニアへと伝わった「フレンチ・ミッション」と呼ばれるブルボン種から選抜されたもので、鮮やかで多様な風味を持つがSL28の方が優れていると評価されることも…

サビ病に弱いという面がありますが、こちらも干ばつに強く生産性に優れています。

 

 

ここでご紹介した品種はほんの一部でまだまだたくさんの品種がありますし、現在も新たな品種の開発が行われています。

同じ産地のコーヒーでも品種が違うと味わいも変わってくるので、品種というポイントに注目してコーヒーを飲み比べてみるのも、また違った楽しみ方ができて面白いかもしれません。

たくさんの品種や産地、多様な加工法や焙煎度、淹れ方…コーヒーの楽しみ方は無限大です。