こだわりが生み出す、味わい深いコーヒー
コーヒー発祥の国とされるエチオピアで、最高級品質の豆を生産している地域として言わずと知れたイルガチェフェ。現地の言葉で「湿地とその草」という意味だそうです。
その名の通り水源に恵まれ、水洗式に適しています。枝が大きく横に伸びる、古くからの在来種が栽培され、その中でも、芳醇な香りが強い1等級のチェリーを特別にすべて人の手で収穫しています。
現地では伝統的にコーヒーを飲んで楽しむ文化が根付いており、まさに生活の一部としてコーヒーを愛する小農家さんたちによって収穫・精製されています。
小農家さんたちはおよそ1.5ヘクタールほどの農地に、コーヒー以外にも自分たちが食べる作物を植え、農薬や化学肥料を使用しない農法を昔から続けています。
古くから最高級水洗式アラビカの産地として知られていたイルガチェフェでしたが、2000年以降は従来のトップグレードのGR2のさらに上をいき、味の広がりや奥行きを持ったGR1が生産されることで、近年のスペシャルティコーヒーの市場で、改めてその不動の存在感を確かにしました。
産地においてコーヒーの最終的な品質を決めるのは、乾燥工程。ただ天日乾燥させるのではなく、パーチメントが天日乾燥中に高温にならないようにすることが大切です。
そのために、お昼の12時から15時まであえて、アフリカンベッドにブルーシート等でカバーをし直射日光を避けるようにしています。
そうすることによって生豆の細胞が壊れることなく(乾燥が早すぎると細胞壁が壊れて、油分等が涌現し劣化を招きます)、ゆっくりと水分を抜くことができます。
高品質コーヒーを作るために、完熟コーヒーチェリーを使用するだけでなく、乾燥工程もこだわっています。
マイルドロースト(mild roast)中深煎りコーヒー
マイルドローストのコーヒーの特徴は、「マイルド」「甘み」です。
マイルドローストのコーヒーはコクと酸味、甘みのバランスを整えることがとても重要です。
どれかひとつでも突出してしまうとバランスが崩れてしまうため、慎重に焙煎の終了時間を見極めなければなりません。
シングルオリジンのコーヒーでは特に産地の持つ個性を損なうことなく、ペーパードリップで淹れて美味しいと感じるバランスの取れた味わいを実現しています。
焙煎行程での香りの変化
焙煎スタートから焙煎終了まで、一刻一刻とコーヒー豆の香りは変化していきます。
変化のポイントがいくつあり、そのポイントを逃してしまうと、品質に大きく影響します。
香りを捉えることができないことのないよう、体調管理には十二分に気を付け、刺激の強い食事(たまねぎ、にんにく等)を取らないなど焙煎人として最低限のことに注意しながら日々の品質管理に努めています。
品質管理
ベースコーヒーでは、焙煎後の品質チェックを毎回行っております。
特に季節の変わり目は、気温、湿度の変化のよる、焙煎行程の見直しが必須となります。
その変化を捉えることが出来るのが、「カッピング」という品質チェックです。
日々のカッピングで味わいの微妙な変化に気付き、焙煎へフィードバックするという地道な作業を繰り返すことにより安定した品質をお届けできるものと考えております。