コーヒーは水によってどう変わる?
皆さんはコーヒーを淹れるときに何を気にしていますか?
淹れ方?豆の産地?焙煎具合や鮮度?
どれもとても大切な事ですが、もう一つ意外と忘れられがちなものがあります…それは水です!
今回はコーヒーを少し違った視点から、意外と大事な”水”ついてお話ししたいと思います!
【目次】
コーヒーと水の関係性
一杯のコーヒーに占める水の割合は約99%。そのためコーヒーを淹れる際に使われる水はコーヒーの味わいを左右するものです。
水によっては味が薄く抽出されてしまったり、濃く抽出されすぎてしまったりすることがあります。また豆に合わないものを使っていたら、美味しさを引き出せなくなってしまうこともあるでしょう。
しかし逆に言えば、水の性質を理解して上手に使うことで、普段酸味が気になっているコーヒーを飲みやすくすることも、今飲んでいるコーヒーの美味しさを最大限に引き出すこともできるということです!
どんな水がいい?水質による違い
スーパーなんかに行ってもいろんな銘柄のお水があるように、一言に「水」と言ってもその中身や種類はいろいろです。
どのような種類の水がコーヒーにどのような影響を及ぼすのか見ていきましょう。
水の硬度
水には硬度というものがあります。よく「軟水」や「硬水」なんて言うワードを聞いたことがあるかと思います。これらは、水に含まれるカルシウムとマグネシウムなどの量によって決まっていて、WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120㎎/l以下を「軟水」、120㎎/l以上を「硬水」としています。
一度、同じコーヒーを軟水と硬水で淹れ比べてみてください!
軟水で淹れるとコーヒーは、まろやかでサッパリとした明るく酸味を感じる味わいに。
硬水で淹れると、しっかりした苦味とクセのある味わいになります。
軟水か硬水どちらがいいかと言う問いに対しての絶対的な答えは実のところありません!好みによって硬度が違う水を選ぶのもいいでしょう。
しかし味わいに変化をつけるには、豆の焙煎度や淹れ方に変化を加える方が簡単なので、基本的にはコーヒーを淹れる際、クセがなくまろやかで飲みやすい舌触りを得るためにも「軟水」を使用するほうがおすすめです。
pH値
ミネラルウオーターなどのパッケージにpH~と書かれたものを見たことはありませんか?
このpH、水中の水素イオン濃度を表したものです。もう少し言い換えれば、その水が酸性寄りかアルカリ性寄りかを表しています。
pHは1~14まであり、pH1は酸性、pH7は中性、pH14はアルカリ性ということです。
ではこのpHに差がある二つの水でコーヒーを淹れ比べた時、何が違うかというと、コーヒーの酸味に差が生まれます。
理科の授業を思い出してみてください、酸性とアルカリ性は互いに中和し合い、打ち消し合うもので、コーヒーの酸味を生み出す「キナ酸」もアルカリ性と混ざることによって中和され抑えられます。
そのため水のpH数値が高くアルカリ性が強い場合、その分酸を打ち消す力が強くなり、酸味の抑えられたコーヒーになるということです!
つまりはpHの値が大きければ大きいほど酸味の抑えられたコーヒーになるのです。
普段飲んでいるコーヒーの酸味が少し気になる方は一度pH値の高い水で淹れてみるとおいしくお召し上がりいただけるかもしれませんね。
ただ、好みに合わせて水を変えるのもいいのですが、コーヒー本来の味わいを知るためにも基本的にはpH7.0に近い中性のコーヒーを使うことをお勧めします。
その方がコーヒーの味わいが酸味のない平坦になりすぎたり、逆にありすぎるエグミのあるものになるのを防げます。
コーヒーに合う水を用意してみよう
ここまでを振り返ると、コーヒーを淹れるのに理想的な水は、軟水質で中性な水。
市販のもので言えば、硬度約30㎎/lで、pHが約6.7、サントリーさんの「南アルプスの天然水」が理想に近いお水です!
「でも毎回コーヒーを淹れるためにペットボトルのお水を使うのかちょっと…」と言う方、ご安心を!
水道水は中性で、さらには淹れる前に沸騰させていることもあり、水道水でも問題なく淹れることができます。
ただ少し水道水感が残ってしまうこともあるので、家庭用ポッド型の浄水器を通した水を使えばなおいいでしょう!
自分が普段飲んでいるコーヒーの豆の種類や淹れ方に変化を加えるのも、コーヒーの質を高める上で重要ですが、もし豆や淹れ方を変えてもどうしても理想に近づかないときには、水に変化を加えてみてください!
味わいに変化が起こり、もしかしたら求めていた味に近づくかもしれません。