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コラム
COLUMN

2019.06.16
コーヒー

取り除かれる欠点豆たち

植物の種子と言う自然の物であるコーヒー豆において、すべての豆が問題なく飲用に使えるということはまずありません。

コーヒー豆の中には天候や虫害、不適切な栽培方法や収穫方法などから欠点が生まれ、品質に悪影響を及ぼしてしまうものがあります。

今回は、おいしいコーヒーを生み出すために無視できない、欠点豆に関してご紹介します。

 

欠点豆とは?

さまざまな欠陥があり、コーヒー品質を損ねてしまう豆のことを欠点豆と呼びます。

欠陥の内容はそれぞれですが、主に、焙煎時の煎りムラにつながったり、香りや味に悪影響を及ぼすため取り除く必要があります。

ではどのような物があるか見ていきましょう。

 

形がいびつな物

欠点豆として取り除かれる物のなかには様々な要因から形が変形している豆が含まれます。

欠点豆1

精製処理や運搬の過程の中で欠けてしまったり、潰れてしまっっている豆、また貝殻豆と呼ばれる中身が抜け落ちてしまっている豆も取り除かれる対象です。

これらを残さない理由としては、見た目が悪いというのもありますが、薄かったり小さかったりするこれらの豆が焙煎時に焦げやすく煎りぐわいにムラができてしまうからです。

 

ひどいダメージを受けている物

コーヒーも生鮮食品である限りカビが生えてしまうことがあります。これらはもちろん取り除く必要があります。

 欠点豆2

またベリーボーラーと言う小さな虫に食べられ穴が開いてしまっている物にも青かびが生えているものが多いです。

欠点豆3

ハンドピックと呼ばれる選別時には緑色に変色しているため見つけるのは比較的簡単です。

これらの豆はカビっぽい臭いやすっぱい味、エグみにつながったりするため丁寧な除去が必要です。

 

収穫や精製時に不具合があったもの

収穫時に混入してしまったり、精製時に何らかの不具合で品質が悪くなってしまう豆も欠点豆の一部です。

欠点豆4

まずは精製がしっかりと行われず、果肉やパーチメントと呼ばれる皮が残っている豆。

煎りムラにつながったり、風味に悪影響を及ぼすため取り除く必要があります。

また精製の課程で豆が内部まで発酵されてしまい変色している、発酵豆や黒豆と呼ばれる行き過ぎてしまった豆は、取り除かないととげとげしい味やきつい臭いにつながってしまいます。

逆にまだ完熟していない状態で収穫、精製されてしまった未熟豆と呼ばれるものもあります。

未熟豆は生豆の状態では簡単には見分けがつきませんが焙煎後は色づきが他のと異なるためわかりやすいです。

 

豆以外の異物

選別時に気に欠けなくてはいけないのは、欠点豆だけではありません。

豆が運ばれてくるまでの間、何らかのタイミングで混入してしまった異物も丁寧に排除する必要があります。

ごくたまに混入するものに、小石や木片、麻袋の繊維やトウモロコシなどがあります。

 

欠点豆の混入を防ぐために

大量に収穫され加工、運搬されるコーヒー豆の中から欠点豆を100%取り除くというのは残念ながら難しいです…

それでもできる限り欠点豆を少なくする努力は行われていて、高品質のハイグレードな豆を扱っている所ほど混入する欠点豆の数は少ない傾向にあります。

完熟している果実のみをハンドピックする収穫時や、機械を用いて豆を選別する精製時などハイグレードになればなるほど豆の選別の洗練度は増していきます。

そのためハイグレードな豆を扱っている所から生豆を購入することは、味わい豊かなコーヒーを得ることができるだけでなく、欠点豆の混入をできる限り防ぐことができるというメリットがあります。

しかし、それでも最初から完全に欠点豆が取り除かれた生豆を得るというのは不可能なので、焙煎前後に目視による選別であるハンドピックがとても重要になってくるのです。

ハンドピック

実際にベースコーヒーでも焙煎前には必ずハンドピックを行い欠点豆や異物の混入を防ぎ、焙煎後やパッキング時にも注意を払っています。

すべてはおいしいコーヒーとそれによって生まれる素敵な時間のために…。