コーヒーの格付けとは?
コーヒー豆を買っていて、コロンビア”スプレモ”や”エクセルソ”、グアテマラ”SHB”や”HB”といったように、生産国名の後に続く記号のようなものを見たことはありませんか?
これらは生産地で行われているコーヒーの格付け評価の結果を反映させた、いわばそのコーヒーのグレードを表している物です。
格付けには国際的な基準はなくそれぞれの生産国が自ら定めた方法で格付けを行っています。
今回はコーヒーの選び方が少し変わるかもしれない、コーヒーの格付けに関してご紹介します!
【目次】
格付けとは?
コーヒー豆が流通され始めたころは、鑑定されることなく売られていましたが、19世紀になってブラジル産のコーヒーに格付けが行われるようになり、他の生産国でも豆の格付けをするようになっていきました。
格付けの基準は生産国によって様々で、栽培地の標高を基準にしているものや豆の大きさを基準にしているものなど…
生産地や品種と同様に、コーヒー豆を知るうえでの重要な情報となる格付けは、バイヤーや消費者がそのコーヒー豆の品質や価値をおおよそ知ることができる要素と言えるでしょう。
だからこそ実際に手にしたコーヒー豆が格付け通りの品質であるかを判断することは重要なため、見た目やカッピングなどさまざまなテストで判定される場合もあります。
栽培地の標高によるもの
コーヒーが栽培されている所の標高が高ければ高いほど、寒暖差が生まれ実は引き締まり上質なコーヒーが生まれます。
この観点から標高を基準に格付けしている国がいくつかあり、中米に多いです。
メキシコ
約1700m以上→ SHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン)
約1000~1700m→ HG(ハイ・グロウン)
約600~1000m→ PW(プライム・ウォッシュド)
また時にはスペイン語で、AL(アルトゥーラ)、PL(プリマ・ラバード)、BL(ブエン・ラバード)と表記されることもあり、英語とスペイン語両方が記されていることもあります。
グアテマラ
約1300m以上→ SHB(ストリクトリー・ハード・ビーン)
約1200~1300m→ HB(ハード・ビーン)
約1050m~1200m→ SHB(セミ・ハード・ビーン)
約900~1050m→ EPW(エクストラ・プライム・ウォッシュド)
国外輸出されるのはおおよそこの4つの規格のものです。この下にはPW(プライム・ウォッシュド)、EGW(エクストラ・グッド・ウォッシュド)、GW(グッド・ウォッシュド)と続きます。
エルサルバドル&ホンジュラス
約1200m以上→ SHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン)
約900~1200m→ HG(ハイ・グロウン)
約600~1200m→ CS(セントラル・スタンダード)
コスタリカ
コスタリカでは標高に加えて、栽培地が太平洋側かカリブ海側かで規格が分けられています。
約1200~1700m(太平洋側)→ SHB(ストリクトリー・ハード・ビーン)
約1000~1200m(太平洋側)→ GHB(グッド・ハード・ビーン)
約800~1000m(太平洋側)→ HB(ハード・ビーン)
約500~1000m(太平洋とカリブ海の中間)→ MHB(ミディアム・ハード・ビーン)
約900m以上(カリブ海側)→ HGA(ハイ・グロウン・アトランティック)
約600~900m(カリブ海側)→ MGA(ミディアム・グロウン・アトランティック)
約150~600m(カリブ海側)→ LGA(ロウ・グロウン・アトランティック)
スクリーンサイズによるもの
スクリーンサイズとはコーヒー豆の大きさのことです。専用のふるいにかけられスクリーンサイズを計測し評価されます。
コロンビア
スクリーンサイズ17(6.8㎜)以上→ スプレモ
スクリーンサイズ14~16(5.6~6.4㎜)→ エクセルソ
スクリーンサイズ13以下のものは基本的に国内消費に回されます。
ケニア
スクリーンサイズ18以上→ AA
スクリーンサイズ15~17→ AB
スクリーンサイズ11~15→ C
エレファント(とても大きいもの)→ E
またケニアの格付けでは豆の形状によっても判断されます。
ピーベリー(本来2つあるはずの種子が1つだけでそだったもの)→ PB
Cよりも小さい豆→ TT
欠点数によるもの
生産国の中には基準量300gの豆の中にどれだけの欠点があるかで判断するところもあります。
石や木片などの異物は一つでマイナス5点、虫食い豆は3個でマイナス1点といった具合にそれぞれの異物や欠点豆に点が付けられていてその欠点数が低ければ低いほど高品質ということになります。
欠点豆に関してはこちら
エチオピア
欠点数が…
3点以下→ G(グレード)1
4~12→ G2
13~27→ G3
28~24→ G4
46~90→ G5
インドネシア
11点以下→ G1
12~15→ G2
26~44→ G3
45~80→ G4
81~150→ G5
G1のなかでも優れているものはSPG1と記されることもあります
欠点数に応じて評価されてはいますが、欠点が全くないというのはあり得ないとされています。
スクリーンサイズと欠点豆の数によるもの
上記にあるスクリーンサイズでの判断と欠点豆の数を合わせて格付けする国もあります。
ベトナム
欠点豆数の割合が5%以下かつスクリーンサイズ14~16→ G1
欠点豆数の割合が10%以下かつスクリーンサイズ12~14→ G2
欠点豆数の割合が20%以下かつスクリーンサイズ10~12→ G3
ハワイ コナ
スクリーンサイズが19/上で欠点数が8以下→ エクストラ・ファンシー
スクリーンサイズが18以上で欠点数12以下→ ファンシー
スクリーンサイズ16以上で欠点数が16以下→ No.1
またハワイのコナコーヒーではピーベリーのみを分けて製品化したものもあり規格がエクストラ・ファンシーと同等とされています。
ブラジルの格付け
ブラジルの格付けは少々複雑で、欠点数、スクリーンサイズ、カップテストそれぞれの評価を組み合わせて表記します。
エチオピアやインドネシアでも採用されている欠点数による判定はブラジルでは…
4点以下→ No.2
4~12→ No.3
12~26→ No.4
といったようにNo.で表記されます。
スクリーンサイズは機械で選別され、20~13に区分されます。SC20やSC19といったように、SCで表記されます。
またブラジルの豆はカップテストが行われ、味覚でも判断されます。
十分に滑らかで甘みがある→ SS(ストリクトリー・ソフト)
滑らかで甘みがある→ S(ソフト)
やや弱い甘みがある→ St(ソフティッシュ)
鋭い刺激がある→ H(ハード)
軽いヨード臭がする→ R(リオイ)
ヨード臭がある→ Rz(リオ)
と表記されます。
これらの、欠点数、スクリーンサイズ、カップテストの評価に加えて出荷港を記して豆は出荷されます。
例えば、「ブラジル・サントス NO.2 SC18 SS」の場合…ブラジル・サントス港で出荷され、(欠点数が4点以下で、スクリーンサイズは18で、味わいは十分に滑らかで甘みがあるということがわかるわけです。
ぜひコーヒーをご購入の際に規格に関する表記があったら気にしてみてください!
そのコーヒー豆がどんな豆なのかがより見えてきてコーヒー選びがより面白くなるかもしれませんよ!