収穫後どうなる?コーヒーチェリーのその後
コーヒーはコーヒーノキという植物の種のことだとご存知の方は多いかと思います…
では、コーヒーの果肉の部分がどうなるかはご存知ですか?
今回は意外と忘れられがちなコーヒーの果肉、コーヒーチェリーが収穫後どうなるのかに関してご紹介します!
【目次】
コーヒーチェリーとは?
そもそもコーヒーチェリーとはコーヒーノキという植物にになる、小さな実のことです。
熟すと品種によっては黄色になるものもありますが、大半が綺麗な真っ赤になることからコーヒーチェリーと呼ばれます。
コーヒーの実を構成するのは簡単に分けて6つの部分。
種子
「コーヒー豆」部分で果実の20%を占めます、通常1つの果実に2つの種子が入っています。
シルバースキン
種子を包む薄皮。
内果皮
種子を保護する少し固めの皮。
粘液
甘いはちみつのような物質で豆全体を包んでいます。
果肉
水分と糖分を多く含む果肉。
果皮
厚みのある外皮。歯でかみ切れる程度の硬さです。
コーヒーが作られる際、以前のコラム「ウォッシュド?ナチュラル?コーヒーの精製処理とは?」でもご紹介したようにコーヒーチェリーは取り除かれ。最終的には種子の部分のみになります。
果肉部分も甘酸っぱいサクランボのような味がして美味しいのですが、可食部が少ないことと、メインは豆部分ということからコーヒーをフルーツとして取引することはまずありません。
取り除かれた、果肉や果皮部分はスペイン語で籾を意味する、カスカラ(cáscara)と呼ばれ捨てられることも多いです。
カスカラ活用法
精製段階で大量に出るカスカラ部分を捨ててしまうのはもったいないとして、精製後も活用されることがあります。
では取り除かれたコーヒーチェリーがその後どうなるのか?
ここではその例をご紹介します!
次につながるカスカラ
カスカラの主な利用方法として、肥料や堆肥として活用するものがあり、この方法が一番メジャーな物です。
精製段階で取り除かれた果皮や果肉は、しばらく放置された後に木の周りに撒かれたり、土や動物の糞と混ぜて発酵させたりして、肥料や堆肥として使われます。
スタッフが以前訪れたことのあるコスタリカの協同組合の精製工場では、処理されたカスカラが山積みに放置されていて、それを生産者が大きなタンクに入れて持ち帰る姿を目にしました。
- 組合に属する生産者はこのカスカラを自由に持ち帰ることができ、各々のコーヒー生産に活用しているようです。
コーヒーチェリーを楽しむ
果肉自体がとても少なくフルーツとして楽しむことは少し難しいコーヒーチェリーですが、果肉を食べる以外の方法でコーヒーチェリーを楽しむことができます。
その方法の一つが紅茶にしてしまうというもの!その名もコーヒーチェリーティーです。
精製段階で取り除かれたコーヒーチェリーを丁寧に天日干しし乾燥させたコーヒーチェリーを使って淹れられます。
ストレートで飲むとかすかに香るサクランボのようなフルーティーさが特徴的です。シロップやはちみつを加えてもおいしいです。
カフェインを含んでいますがコーヒーと比べるとその量は少ないため安心して飲むことができ、またポリフェノールの豊富に含まれているので抗菌作用も期待できる、身体の内側からきれいにしてくれる飲み物です!
また紅茶以外にもコーヒーチェリーを使ったシロップや、コーヒーチェリーを砂糖や小麦に混ぜ込んだカスカラシュガーやカスカラフラワーといった商品もあり、お菓子作りなんかに活用できるものもございます!
最近ではこれらの商品も一部のお店で簡単に手に入れることができますので、ぜひ目にした際は試してみてください!
日本ではなかなか目にすることができないコーヒーチェリー。コーヒーができるまでに取り除かれるいらない物の様に思われますが、その活用法はさまざまです。
近年ではコーヒーチェリーを使ったいろいろな商品が開発されていて、コーヒーを豆部分だけでなく果肉部分を簡単に楽しむことができるようになると思います。
コーヒーの新たな楽しみ方として、コーヒーチェリーに注目するのも面白いかもしれませんね!